社会教育施設とその根拠法
また遭遇してしまったので、流行をおさえるためにもまとめておきます。*1
【社会教育施設】
社会教育法が定めるものとしては、図書館の他、公民館と博物館が挙げられる。
類縁機関としては文書館(公文書館法)や青少年教育施設、視聴覚ライブラリーなどがある。*2
○図書館について
<根拠法>図書館法
以前調べたけれど抜けているのでもう一度。
>>
第一章 総則(第一条―第九条)
第二章 公立図書館(第十条―第二十三条)
第三章 私立図書館(第二十四条―第二十九条)
附則
<<
「第一章 総則」図書館の定義、奉仕内容、司書について、設置・運営などの項目があり、
「第二章 公立図書館」では、職員、図書館協議会、無料原則、予算補助、
「第三章 私立図書館」では、国や地方との関係、対価徴収可である
ことが述べられている。
その中でも「役割」についてはこれ。
>>
(図書館奉仕)
第三条 図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。
一 郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(略)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。
二 図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
三 図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること。
四 他の図書館、国立国会図書館、地方公共団体の議会に附置する図書室及び学校に附属する図書館又は図書室と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。
五 分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。
六 読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びこれらの開催を奨励すること。
七 時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。
八 社会教育における学習の機会を利用して行つた学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、及びその提供を奨励すること。
九 学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡し、協力すること。
<<
……意外と細かく定められてた。
これを200字以内にまとめるとしたら…
「図書館はその地域性を鑑み、利用者のニーズや学校教育・家庭教育を支援する立場からサービスを提供する。その内容としてまず、媒体を問わず資料の収集・提供に務めることが挙げられる。このとき円滑に利用できるよう資料を分類し目録を作成したり、職員が相談に応じたりする必要がある。また移動図書館の巡回やイベント企画などもし、他の図書館、博物館や公民館などとも連携し協力すること。」(182文字)
かしら。
○公民館について
<根拠法>社会教育法
第五章 公民館(第二十条から第四十二条まで)
とくにこのあたりでしょうか。
>>
第二十一条 (略)
<<
まとめ
定期講座を開設し、講習会や講演会を開催する。また図書等を備え、その利用を図るだけでなく、体育などに関する集会を開催する。こうした実際生活に即する教育・学術・文化に関する各種の事業を行い、これによって住民の生涯学習に寄与し、教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に努める。(154文字)
生涯学習うんぬんは自分で加えました。
○博物館について
<根拠法>博物館法
>>
第一章 総則(第一条―第九条の二)
第二章 登録(第十条―第十七条)
第三章 公立博物館(第十八条―第二十六条)
第四章 私立博物館(第二十七条・第二十八条)
第五章 雑則(第二十九条)
附則
<<
その内容は、
「第一章 総則」博物館の定義、事業、学芸員について、
「第二章 登録」博物館はその自治体の教育委員会に登録しなければならない、その手続きについて、
「第三章 公立博物館」博物館協議会、入館料(やむを得ず徴収可)、予算補助(この章は図書館法第二章と同じ構成)、
「第四章 私立博物館」教育委員会、地方や国との関係、
「第五章 雑則」博物館に相当する施設、
であるとしている。
役割にあたるのは、このあたりかと思います。
>>
(定義)
第二条 この法律において「博物館」とは、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成を含む。以下同じ。)し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関(略)が設置するもので次章の規定による登録を受けたものをいう。
2 (略)
3 (略)
(博物館の事業)
第三条 博物館は、前条第一項に規定する目的を達成するため、おおむね次に掲げる事業を行う。
一 実物、標本、模写、模型、文献、図表、写真、フィルム、レコード等の博物館資料を豊富に収集し、保管し、及び展示すること。
二 分館を設置し、又は博物館資料を当該博物館外で展示すること。
三 一般公衆に対して、博物館資料の利用に関し必要な説明、助言、指導等を行い、又は研究室、実験室、工作室、図書室等を設置してこれを利用させること。
四 博物館資料に関する専門的、技術的な調査研究を行うこと。
五 博物館資料の保管及び展示等に関する技術的研究を行うこと。
六 博物館資料に関する案内書、解説書、目録、図録、年報、調査研究の報告書等を作成し、及び頒布すること。
七 博物館資料に関する講演会、講習会、映写会、研究会等を主催し、及びその開催を援助すること。
八 当該博物館の所在地又はその周辺にある文化財保護法 (昭和二十五年法律第二百十四号)の適用を受ける文化財について、解説書又は目録を作成する等一般公衆の当該文化財の利用の便を図ること。
九 社会教育における学習の機会を利用して行つた学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、及びその提供を奨励すること。
十 他の博物館、博物館と同一の目的を有する国の施設等と緊密に連絡し、協力し、刊行物及び情報の交換、博物館資料の相互貸借等を行うこと。
十一 学校、図書館、研究所、公民館等の教育、学術又は文化に関する諸施設と協力し、その活動を援助すること。
2 博物館は、その事業を行うに当つては、土地の事情を考慮し、国民の実生活の向上に資し、更に学校教育を援助し得るようにも留意しなければならない。
<<
……長い。
第三条(事業)と第二条の1。
これらをまた200字以内にさらっとまとめると、
「歴史や芸術などに関する資料を収集・保管・展示して、利用者の教養や調査研究、レクリエーションのために必要な事業を行う。またこれらの資料に関する調査研究をする。案内図や目録の作成、近隣の文化財についても整備し、その他の博物館・図書館などとも連携し学習の機会を提供をすること。」(135文字)
短くなってしまった…。
以上、図書館、公民館、博物館のそれぞれの根拠法と役割でした。
公文書館についてはまだまだ勉強不足でありわからないこともたくさんあるのですが、収拾がつかなくなってきたのでこのあたりで筆をおこうと思います。
ちなみに遭遇したのは社会教育施設だけでなく地域資料もなので、近いうちに書きたい…けど何書けばいいのかわからない…。